M氏は暴力行為が著明で日常茶飯事であった。
時には笑顔も見られるのだが、急に表情が険しくなり、殴る、髪をわしづかみされ引っ張られる。
そんな状況にスタッフもケア時は恐る恐るすることも多かった。

ある天気の良い日に、昔かけられていたサングラスをかけ公園に散歩に行った。
なんと公園で寝転んだり、バンザイしたり、とにかく笑顔で嬉しそうにされていた。一緒に行ったスタッフは、そんな顔を見たことがなくビックリした。

外へ出たことは解放的だっただけではなく、
今まで使われていたサングラスをかけ、自分らしくいられた時間だったのかもしれない。