少しずつ体力の低下も見られ車椅子での生活へとなってこられました。
3人の子供さんは献身的で、母の日や、お誕生日には、お花を持ってお祝いに来られたり、週に1回は必ず面会に来られ、食事介助をされたり、お天気にいい日には、車椅子で散歩に行かれたりと温かい笑顔が見受けられました。
そんなある日、娘さんがお母さんに木のスプーンを持って来られました。
「銀のスプーンでは、口唇にあたったとき冷たいから」との由。
私たちスタッフは、そんなこと気付きもしませんでした。
家族の小さな気付きにハットさせられました。
家族の思いに寄り添う介護の基本を見たような思いでした。
日常のあらゆる場面に、ケアのヒントが潜んでいることが伝わるケアレシピですね。
今回は、それをご家族が気付き、ケアスタッフが読み取った。家族もケアスタッフも同じチームなので、相乗効果でケアの質が上がることはとても嬉しいことだと思います。ご家族が持っているNarrative(生活歴・人生史・物語・思い出)をいかに引き出すかが鍵ですね。「暖かく介護したくなるような母=尊敬する母親。」きっと娘さんにとって、自慢の母でしょう。もっと、いろんな情報を共有し、家族のような自然な寄り添いを実現したいですね。