理学療法学科学生のOさんはS病院で実習をしている。
ある日、
入院患者さんのT氏に対して松葉杖を使って階段昇降の仕方を指導するように指導担当のPTから依頼された。

以前の実習先での経験を活かし、教えられたとおりに教科書的に間違いなく指導した。
しかしすぐさま指導担当のPTがT氏に対して再度指導されたため、疑問に思ってOさんは確認した。すると、
「あなたは方法を伝えることは出来たが、理解させることは出来ていない。初めて会った方なので難しいとは思うが、相手の性格なども考えて指導しないとT氏は必ず転倒するよ。」
と教えられた。

Oさんはその時はっとして、
以前の実習でもそういえば認知面の低下がない患者さんに対して同じようなケースがあった時にうまくいかなかったことがあったことを思い出した。
その時は自分の伝え方が悪いとは全く思っていなかったが、
改めて自分の『人』を観察する力や他の部署からの情報収集の大切さを痛感した。