これは、私が回復期病棟で勤務していた頃の話です。
入院して来られた80歳後半の右半身マヒの男性患者様。

最初に出会った頃のAさんは緊張されており、顔がこわばっていました。
当時は「どう接したらいいだろうか?」
を毎日、考えながら対応していました。

日々のトイレ介助や口腔ケアも拒否される事があり、
とまどいながらも介助をしていたのです。

どんな声かけをすべきだろうか???考えていました。
そんな中、何回か接していくと病棟に慣れてこられたこともあってか、
徐々に笑顔が見えてきました。

お体の方も最初は車椅子でしたが、
一部介助の歩行が少しずつできるようになってこられました。
自然と、毎日会うのが楽しくなりました。

半年以上が経つと。
ずいぶんと慣れてこられ、笑顔も増えてきて、患者様も私に愛着を持たれ、私が病室に行くと笑顔で迎えてくれるまでになりました。
退院が近くなってきた頃には、すごく淋しくなり、写真を一緒に撮って思い出を残して頂き、その次の日に笑顔で退院されていきました。

この体験を通して、自分のコミュニケーションの力に少し自信を持ちました。
これからも、色んな患者様と接していくなかで、学びの心を忘れず、
すばらしいコミュニケーションが出来るよう頑張っていきたいです。