帰宅願望があり、離設されることが一日に何回も。
その度にスタッフ対応行うも、立腹・暴力・暴言等・・・
スタッフも手におえない状態でした。
全スタッフ交代交代での対応にも離設はおさまらず。
「家に帰る」
と言われた為、利用者様に付き添い、ひたすら歩きました。
(1時間くらいだったと。。)
その間
「疲れたでしょう?お茶でも飲みましょう」
等の、気の紛れるような言葉をかけながら歩き続ける。
休憩しながらも、
「帰る」気持ちはおさまらずで、とうとう自宅迄辿り着いてしまいました。
その日はご自宅で過ごされました。
その次の日の朝。
お迎えに伺うと「待っとったよ!」となんと!笑顔!
迎えの車に乗られましたが、暫くすると又「帰る」のくり返し・・・
それでも、その利用者様の気持ち、言われる事に付き添いました。
そうすることで、少しずつ気持ちが落ち着かれるようになりました。
後日のこと。ご家族様から
「孫の様に思っていたみたい」
「私達娘よりも貴方をみると嬉しそうに笑う」
と、お話して頂いたときは嬉しかったです。
認知症の方との接し方。
今後もっともっと学び自分自身のスキルアップにつなげたいと思う!
素敵なエピソード拝見しました。ありがとうございます。
間違いなく1時間の散歩がターニングポイントだったのでしょう。
昔の話、家族の話、地域の話、仕事の話、色々な長期記憶の引き出しを開けながら、
歩かれたのでしょうね。
ご本人は、お孫さんに教えるように充実した時間を過ごされた。
だからこそ、その後も、お孫さんのように思えたし、安心のきっかけができた。
そのようなことが予測されます。
この人にお願いすれば、いつでも帰ることができる。
だからちょっと安心。この積み重ねが大切ですよね。
初めての場所で、知らない人達と初めて過ごす空間・・・。何となく落ち着かず、何となく不安で、自分の居場所が見つからない。帰りたい・・・私が落ち着く場所へ行きたい・・・家に帰ろう。このような心理状態に陥るのは、認知症の有無に関わらず、誰もが同じであろうと思います。もしかすると、「転校生の初日」のような感覚なのかも知れません。
そこに、わずかでも心を許せる人がいることは、本人にとって安心のきっかけになるでしょう。例え、一緒に歩いた体験は忘れても、その時に充実していた思いは忘れない。だからこそ、落ち着いた今がある。急がば回れのはじめの一歩。素敵なエピソード、ありがとうございました。