認知症の方との会話に難しさを感じてしまう
ご家族やケアスタッフの方々・・・。
そんな方々は、とても真面目で、
より正確に介護をしようとする方に多い印象があります。
介護を頑張るだけ頑張って、できることを全てやって、
それでもうまくいかないと・・・
介護疲れが増えていき、虐待や介護放棄に至ることも。
認知症の方との会話で、うまくいかないケースには
1つの共通点があります。それは・・・
「いつでも本当の事を正確に伝えよう」と頑張ってしまうことです。
私が「もうご飯は食べましたか?」と認知症の方に尋ね、
ご本人が「いいえ」と回答すると、
突然、会話に割り込み「さっき食べたでしょ!」の声。
私の「熊本での生活はどのくらいになりますか?」の問いに
ご本人が「2~3年」と答えると、「今年で10年目ですよ」の声。
日付、季節、食事の内容、場所、連れ合いの死・・・
全てに対して、正確に回答し、間違いを訂正してしまうのは、
そばにいる非認知症の方だったりします。
「正解だ!」と思っていたことが、実は「不正解。」
認知症の方が、その回答に自信があればあるほど、
「全然違う!」と否定されると、気分が大きく沈むものですし・・・。
否定されたことを否定したくなるものです。
少々間違っていても、訂正せずに、笑顔をキープして、
自分自身も、とぼけてみたり、曖昧にして、その世界を共感する。
これこそ、認知症ケアに求められる世界観です。
認知症の方の世界に入り込み、
助演男優賞、助演女優賞を受賞しましょう!
共感です!時には嫁となり娘となり孫を演じきることがあります。演じながら、その方の世界に入ると見えてくるものがあり、本当に面白いもので話が、ちゃんとつじつまが合ってきたりすることもあります。家族の代わりなんて到底出来ないのかもしれないけれど、本人様がそれで安心して頂けるならば良いと思います。さながらレッドカーペットを歩く女優ですね。