認知症で呼吸器疾患もありBPSDが出現される方でした。
二人の間には(特に不穏時の声かけ)には「合言葉」があります。

お互いの名字の二つの漢字が一緒で、
名札を見せるだけで「反対」と言ってお互いに笑って喜んでいました。
(私の顔は覚えていらっしゃらないのです。)
(例:田中さん の場合、中田さん という意味です)

入院中も「合言葉」を覚えられており、笑ってくれました。
そのことが病棟内で広まり、病棟の看護師さんには、
「BAさんて、ABさんの反対のBAさんなんだってね!」
と覚えられることもしばしば・・・

その光景を見て回りの皆が笑ってくれました。

御家族から
「誰が言っても良い訳ではないんです。」
「自分たちが言っても(合言葉を)反応はなかった。」と教えてくれたのです。
私達二人だけの大切な言葉でした。

そしてターミナル・・・。
亡くなる前の面会でも覚えてくれて笑ってくれた。忘れることができない。