脳卒中で入院する人は突然身体が動かなくなったり、言葉が出てこなかったりします。
自分がどの様な状況であるかを判断するのに、とても時間がかかります。

Aさんは左上下肢に麻痺が残り、リハビリを毎日賢明に励んでいます。
決められた時間にPTに言われた事を言われた通りにコツコツと行なっています。
日々上達はしていますが、麻痺が残るのはしょうがないか…
という半ば諦め感じで表情にもあまり変化がありません。

Bさんも同じく左上下肢に麻痺があります。
リハビリに来ると、
何で動かないんだ、ここが痛い、嫌だやりたくないと、泣くことが多い。
それでも話を傾聴していると、少しはやる気になって徐々に麻痺も改善し始めています。

PTとして2人を比較した時にAさんの事がとても心配になります。

脳卒中の方が、自分の障がい受容が出来るようになるのには、何年も何十年もかかると言われる程大変なことです。Aさんの本心や感情はどこにぶつける事が出来るのか、と心配になります。

Aさんタイプの患者さんに遭遇した時はPTとして機能回復はもちろんですが、
心遣り所をみつけるお手伝いが少しでも出来れば、障害受容のステップに繋がると思っています。ちょっとした時間に病室を訪ねて、困った事はないかと話を聞きに行ったり。
心をひらける空間を作ってあげる事も大切だと考えています。