私が訪問リハビリテーションに従事していたころの話です。

地域のケアマネジャーさんからの依頼で、
在宅で母親の介護をされている方(Aさん)の介護方法を見てほしいという依頼が来ました。ベッド上での寝返りや起き上がり、移乗方法などで困っているとの事で早速後日訪問をしました。

家につき、まず実際にAさんが母親の介助をしている状況を拝見せていただきました。

母親は体格が大きいうえに、力もあまり入らない様子。
Aさんは四苦八苦!
格闘の上やっとのことで母親をベッドの端に腰掛けさせることが出来ました。

Aさんは、
「毎日こんな感じです。1回の介助でこれだけ手間になるので、頻回にはできないんです」と疲労困ぱい状態で言われました。
理学療法士にとって、寝返りや起き上がりの介助は出来て当たり前。
朝飯前のことであるため、このような現状を目の当たりにしてビックリ!

それと同時に、まだまだ地域においてはリハビリテーションの浸透が出来ていない現状を痛感し無力さを感じた出来事でした。

Aさんへはその後介助方法をデモンストレーションを交えてお伝えし、Aさんにも母親にもより良い介助方法を伝授することが出来ました。

あれから数年経ちますが、現在介護予防に関する取り組みを地域の方々に行っています。
一人でもAさんのような方々のお役に立てればと感じる今日この頃です。