認知症の要介護4の男性(Aさん)。週6日通所介護サービスを利用中。
ご自宅へ迎えに行くと(いつもハイハイと靴を履き、乗車するのだが・・)
今日は、いつもと違い表情も少し固い。
挨拶はするものの靴を履こうとせず、私たちの声かけにも耳を傾けず。
「私は今日はいいです。あなただけ行って下さい」と断られる始末。

今日は何か面白くないことがあるのだろう。と思案するのですが、
Aさんの思いを全てわかることなどできません。
そこで。
「一時の感情」をわかろうとするのは難しいですが、
逆に「感情を一時」くすぐってみようと考えました。

~Aさんは退職後は地域のお世話係などされ、地域の方にも信頼されている方でした~

私:「実は今日、Aさんに手伝っていただきたい事があるんです。」
Aさん:「・・・。」
私:「少しの時間でいいので、一緒に来て頂けませんか?」
Aさん:「・・・。」
私:「お忙しいところ申し訳ないと思ってます。ですが、お手伝い頂きたいのです。」
Aさん:「困っとるのか?」(表情がやわらかくなり)
私:「Aさんを頼りにしてるんです!」
Aさん:「わかった。」(ニコニコと靴を履いて乗車されました。)

当たり前のことなのですが、忘れがち。
認知症の方は、表現は上手くできなくなりがちですが思い(感情)をもっています。
時には、自宅でゆっくりしたいと思う事もありますよね。
「認知症の方=わからない」 ではなく、
「認知症の方を=わかろうとする」 存在が重要だと考えます。