民生委員さんから相談があった。
「なかなか外出をしないおばあちゃん(80歳)について」
民生委員さんと供に、ご自宅へ訪問することに。
頑なに口を閉ざしたおばあちゃん。帰ってくれと追い返された。
私(社会福祉士)は「玄関の様子」を見逃さず、状況を細かくまとめる。
“玄関の様子”
・玄関に植木鉢がいくつもあったが、枯れ木のまま。手入れがされていない。
・玄関口も手入れがされておらず、草が無造作になっていた。
・玄関を開けた時に、ほこりをかぶっていた。
・玄関のいたるところに、お土産と思われる置物がたくさん飾ってあるのが見えた。
・・・「植木鉢は、今まで誰が手入れをしていたのだろう??」
・・・「ご本人だとしたら、どこか具合が悪い?? 足か??」
・・・「沢山のお土産。旅行好き?いや、誰からかもらったものか?」
~二回目の訪問~
娘さん(55歳)から以前(これまでの生活)の様子を伺ったところ、
【外出(旅行)が好きで、亡くなったご主人とよく旅行に出かけていた】
ことを知った。
玄関に置いてある沖縄のシーサーの置物について話を切り出すと、
以前旅行に行った時の話をしてくれた。
おばあちゃんは、沖縄が大好きで、何度もご主人と行ったとのこと。
5年前にご主人が無くなり、今は旅行に行けていないことを話してくれた。
~三回目の訪問~
訪問すると、前回話をした沖縄の思い出の写真を見せてくれた。
少しは自分のことを受け入れてくれた、そんな素振りを見せてくれた。
---課題(=なかなか外出をしない)の解決はここから始まる。---
本音で話し合いが始まった。
私:「普段の生活で困っていることありませんか?」
おばあちゃん:「玄関の階段が上りにくい。買い物にも十分いけていない。」
民生委員さん:「お手伝いを受けてみては如何だろうか?」
おばあちゃんは、少し考えてみると話をし、また後日伺うことにした。
後日、本人が要介護認定を受けたいということで、訪問することとなった。
本人が生活に対する意欲を持ってくれた事。
これこそが、
「自立を支援する」ことを目的とした、社会福祉士の行動成果だと考えるのである。
<4つのステップ>
1.本人の状況確認と意向の確認_“ニーズを探る”
2.本音を聞き出す為の第一歩_“信頼関係の構築”
3.アセスメント_“課題の明確化”
4.すり合わせの作業(双方の思惑の一致)_目標の設定&共有
初めて、訪問(看護師の場合は訪室ですね。)するときは、緊張しますね。それなのに、拒否されて、落ち込みますね。でも。さすがプロですね。みるべきところをしっかり見て、課題抽出から、解決策へと繋いでいかれている、
私も初めての患者さんのところに行くときは、表情から、ベッド回りまですべて見てきます。
そして、一晩を共に過ごすと、次の日は心を開いてくれます。
自宅訪問で、みるべきところ、どう対応していけばいいか勉強になりました。事前カンファレンスや、早期家屋調査の時に活用しようと思います。
Nao.さん コメントありがとうございます。活用して頂けることは幸いです。
誰しも初対面はドキドキするものですが、特に病院となると病状などで不安を抱えている方が多いと思います。
当然でもありますが、Naoさんのコメントだけでもかなり気を使われている様子が伺えました。異なる環境へ慣れることはすぐには難しいと思います。ただ、異なる環境にどう患者さんが対応されているか把握することだけでも、患者さんの持つ力を知るきっかけになると思います。
患者さんの持つ力。私にとって新鮮な言葉です。もちろん、病気と闘う人間の力はすごいものがあるのは実感しています。
でも‥環境に慣れようとされている患者さんの持つ力ですね。今まで無意識に見ていたと思います。
これからは、意識して見ていきたいと思いました。
職種が違うと、視点も変わった意見がきけるので、本当に勉強になります。