重度の認知症を患っていらっしゃる方がショートステイを利用された時の事である。
全く指示が通らず、言っておられる事も聞き取りにくく、すぐに何処かへ行かれようとされる方であったが、奥様は「施設に入れるのは可哀想、もう少し家で頑張ります」と言っておられた。
奥様も高齢であり「介護負担の軽減」でショートステイを利用された。
その方の情報を確認してみると、お通じの事は細かくコントロールしてあったが、水分は飲まれているにもかかわらず、尿の間隔があまりにも遠く大丈夫だろうかと心配した。
「前立腺?腎臓?」と各職種と話し合い病院受診に至った。結局「尿閉、脱水」とのことで施設ではin outを計算したり間隔が、あまりにも遠い時には導尿を施行した。
もうすぐ退所となった時に、はっとした。
このままでは家に帰せない...。
私達からすれば簡単な事でも奥様はできない事ばかり、かえって負担をかけてしまう。
奥様の希望の「家に居させたい」ができなくなるばかりか、在宅生活を本人様から奪ってしまうことに気づかされた。
ショートステイを利用したばかりに在宅生活が出来なくなるなんて本末転倒である。
それから家で出来ることを考え退所された。
これからは在宅生活を長くして頂く為に、何ができるのかを考えながら、ショートステイの方を迎えたいと思う。
~いつまでも家で暮らして頂くために~ プロが家族に伝えること。
こんな考え方が、専門性の高い職種(業界)の垣根を低くし
施設と地域の関係を双方向性(脱一方通行)にしてくれるのでしょうね!
今回のケースでいえば、
>「尿閉、脱水」とのことで施設ではin outを計算したり間隔が、あまりにも遠い時には導尿を施行した。
ことがプロの視点になるかと思います。
今回、どのような事を家族はできる(わかる)ようになったのでしょうか??
中尾根さんコメントありがとうございました。このショートステイを利用された方は、いわゆる老々介護であり、奥様にして頂くことに限界があると考えました。受診先からは自己導尿セットをいただきましたが、身体が大きく奥様一人では無理だとも考えました。特別な疾患がないと言うことだったので、脱水予防の為に脱水から起こり得る悪影響を説明し、こまめに水分補給をお願いしました。後は排尿がないことが、どこまで待てるのか(お腹の張りや他の症状がないとき)をDrに確認して異常があれば、無理をせずに受診をすることも伝えました。他の事業所のショートステイも利用されていたので、ケアマネさんを通して情報を共有しました。それから、しばらくは在宅で過ごされましたが、奥様の体力的な限界、病気でグループホームに入居が決まったと聞いています。