通所リハビリテーションでの一幕。
お風呂の拒否がしばしば見られるA氏に対して、一生懸命に入浴を薦めているスタッフのBさん。
遠くにいるAさんに近づきながら

Bさん:「Aさ~ん、Aさ~ん!ほら、お風呂ですよ。さっ、急いで急いで」
A氏 :「今日は、良かです(結構です)。入りません。」
Bさん:「何ば言うですか!前回も入ってないでしょ!ほら、いいから入りますよ!!」
A氏: 「なんの!良か良か!!今日は入りません」
Bさん:「はい?また入らないんですか?家族の方から入ってくるように家で言われてたでしょ!」
「Aさんも、家族の方と約束してたじゃないですか!入ってもらわないと困ります!」

そんな様子をみたCさんが近づいて来て、Bさんと入浴誘導を交代しました。
Cさんは、A氏にお茶を持っていき、笑顔で「おはようございます。」と一言だけ言うと、その場からすっと離れて、別のご利用者を入浴誘導し始めました。

しばらくして、CさんはA氏の元へ行き、笑顔で
「Aさん、おはようございます。先程Aさんから頼まれたお風呂の準備できましたよ。お待たせしました」
この言葉に、
Aさん:「んっ、そうだったかな?」
Cさん:「はい。私がAさんがお背中を流しますので、どうぞ。(手を差し伸べながら)」
Aさん:「そうか。それでは、よろしく」
と、さっきまでとは全く違う反応で答えました。

あせらせず、急がせず、分かりやすく説明すること。
認知症の方が不安にならない声掛けの大切さを感じました。