第15回 介護保険推進全国サミットinくまもと に参加した時のこと。

「新たな介護保険制度の実施に向けて」とのテーマで繰り広げられたパネルディスカッション。
笹井氏(武蔵野市健康福祉部長)は、そのパネリストの一人として参加していた。

地域包括ケア推進へ向けた今後の課題として、
ー優先順位の明確化と新しいケアモデルの構築ー 限られた財源と人材→”選択と集中”
というテーマを掲げ、武蔵野市の展望を語られた時の一言が強く印象に残っている。

「地域包括ケアシステム... みなさん、具体的な理解ができていますでしょうか?」
勿論不勉強を指摘するものではない。
”私”がそれを実現するためにとる”役割・行動”をイメージできるまで”わかって”いるか?
極めて本質的な問いだと感じた。

騒つく会場をよそに話は続く。
「我々は、地域包括ケアという言葉を、本当にわかるために...」
「【まちぐるみの支え合いの仕組みづくり】と訳して活動に励んでいます!」

隣に座る田中滋氏(慶應義塾大学名誉教授)も、
その訳を「大学ではA評価に値する」と評していた。

制度や仕組み、サービスがいくら充実しても賄いきれないもの。
それは、介護をサービスとして受けようとする側の学びの姿勢なのかもしれない。
なんでもやってくれる、と受け身では無く「わかる」ために「わからない」ことを、
プロフェッショナルな介護職の方々に問いかけること。
この納得は介護サービスを快適に、効果的に活用しようとする行動を起こすために欠かせない一因だと感じた。