フロアスタッフから気難しいと言われているAさん。
21時の消灯時刻になり、居室を伺うと窓際のAさんはカーテンを開けて外を見ている。
消灯を伝え、よく眠れるようにカーテンを閉めることを提案すると、
「あんたも閉めたいか。」と言われる。
不思議に思い理由を尋ねると、窓越しの景色に新幹線が見えることを話される。
『あんた新幹線見えるの知ってたか? だいたい11時45分くらいが最終だぞ。』
1日の締めくくりが最終の新幹線を見送ることのようにも思えた。
私はカーテンを閉めずに退室した。
2時の巡視では、ベッドでよく休まれているAさんがいた。
消灯の理由がよくわからなくなった。
施設の都合なのか、利用者の体調管理のためなのか…、ADLに着目しがちだが、今日のQOLがあってこその、明日のADLだと思った夜勤の一場面だった。
Uさん、はじめまして!レシピ読ませていただきました。
Aさんとの会話の光景が目に浮かんできて「あんたも閉めたいか」の言葉に胸が締め付けられる思いでした。私は入居者様が何を思い、何を望んでおられるのだろうと考える事はあっても、その方の視線の先に何があるのかまで、ちゃんと考えて関わっていたのだろうか?と反省してしまいました。
確かに寝る時間も起きる時間も、人それぞれなのに、生活の場である施設に「消灯」は、ないはずなんですよね。ADLも「人それぞれ」ですもんね。入居者様の一人一人の「こだわり」を探して行きたいと思います。ありがとうございました。