「みんなでサンタ!」
聖蹟桜ヶ丘(東京都多摩市)の街がサンタで溢れる。聖蹟サンタマラソンと合同で行われたこの企画は、マラソンまでは出来ない子供、お年寄りや身体の自由が利き難い方々にベビーカーや車イスでも”ウォーク・歩く”で気軽に楽しく参加できる場となっていた。

サンタに扮した参加者はプレゼントを抱えて街を練り歩く。大勢のサンタが歩く光景は街行く人々を笑顔にする。沿道のお店の方々も、配られた手製の小旗でサンタの行進を盛り上げる。まさに、聖蹟の街一体がイベントに包まれた。

歩きながら微笑ましい場面に出会う。
ちびっこサンタはプレゼント(お菓子)を横断歩道で信号待ちをしているビジネスマンに手渡す。仕事中であろうその方は、思いがけぬプレゼントに思わず恥ずかしそうな笑顔をみせた。
レディーサンタは道端でしゃがみこみ、子供にプレゼント。自転車で一旦通り過ぎた小学生達は引き返してプレゼントを嬉しそうに受け取った。

「サンタが聖蹟の街に元気を届けにやって参りました!」
声掛けのとおり、街には笑顔が溢れ、何よりみんなが楽しそうだった。

ベビーカーに乗ったサンタ、手をつなぎヨチヨチ歩く親子サンタ、車イスに乗ったサンタ、学生サンタ、おっさんサンタ。そこに参加する街の人々。
普段の街の光景にこの人々の姿は見えないだろう。しかし街は「サンタ」というきっかけを通じてこれ程の一体感を生むことが出来た。

地域包括ケア。
”みんな”それぞれが主体になって働きかける姿無くして実現は無いと考える。その実現に可能性を見い出す沢山のヒントがこのイベントにはあったと思う。

運営スタッフには、老健(介護老人保健施設)からも沢山の方々が参加されており、サンタが安全に楽しむための準備に余念がなかった。歩く調子、歩くルート、歩きながらの声かけ。それらはプロによる仕事がつくる安心・安全な環境だった。

介護に携わるプロが地域に出向いた姿をそこにみた。