良くSSを利用されるT氏。食事時間になると、食事を前にして、自分の顔を自分で叩き、「あ~もう死にたい!あ~もうよか」と全く口にされない。

補助食品を飲んでいらっしゃるが、これもなかなか飲まれない。しかし、ここ数年体重の減少はなく、殆ど病気されない。

以上の情報を実習生Nさんに伝え、昼食介助をしてもらった。最初は自分で食べられるかもしれないから、様子を見ておくように伝えたが、その日も自分の顔を叩いてばかりだった。実習生Nさんは、「食べないとお腹がすきますよ。少しでも食べましょう」と介助しようとするが、変化なし。

介護福祉士F君が交代して、家族持ち込みのゼリーを渡して様子を見るが、T氏はため息をつくばかりだった。

結局昼食は全く食べず、おやつの時間となった。介護福祉士のMさんが、自信満々で、「私、Tさんに食べさせること出来ますよ」と言ってきた。

Mさんは、「食器を一つ持ってもらって、そこに一口食べると食器の底が見えるようにするんです。要は、わんこそばみたいに…」見ていると、本当におやつ、補助食品、パン2個食べ終えました。Tさんも楽しそうに食べていました。

拒食する人の前に山盛りの食事を置いたら逆効果なんですね。