ある日のナースステーションでの出来事。
PT「排泄をトイレで行いたいとおもっているのですが、ナースサイドでも協力お願いします」
NS「一人介助でできない患者さんの排泄介助は無理。立てないじゃない」
PT「軽介助で立てます。少しだけてつだってもらえれば…」
NS「そんなはずない。起こすときもかなり重い…etc」
脳梗塞で、左半身麻痺となり、うつ症状もある女性の患者様についてのやりとりだ。
実際は、言葉かけひとつで、ほとんどのことが80%はできるようになっていたと私は思った。
このような意見の食い違いはよくあることだが、そのあと、なぜここまで意見が違うのかをよくみていると、私達は起き上がる順番を言葉にし、ひとつひとつ確認しながら解除していく。できないと言っていたNSは、その女性はできない人として対応するから、全身を抱えておこしていた。患者様は、スタッフを覚えるのは得意で、患者様が、スタッフに合わせてくださっていた。
さて。トイレで排泄ができるようになりたいといっている患者様の希望を加算期間の半年で寝たきりから、トイレ一部介助まで回復させたPTは、その口論のあとどうしたと思いますか?
普通の人間なら、自分はこんなに一生懸命なのに、なんでわかってくれないのか!と立腹したり、落ち込んだりしますよね。私なら間違いなくそうなります。
翌日彼がその女性にリハビリ介入しているところを見かけました。ベテランノPTにきてもらって、自分のリハビリのやり方をチェックしてもらってます。
数日後は、ドクターとも相談し、装具作成と言う方向に進み、自分で起き上がり、立ち、方向転換し、車イスに座ると言うところまで一人でできるようになられました。トイレはもちろん、軽介助でトイレに行かれます。
一月後半からは、自分で歩くというところまで頑張られてます(添付写真)
この写真をとってる間も、右足はここ。左足はここ。この辺りをもって。一度前を向いて、おじぎをするように、ぎゅっとたつ。膝をのばして。たまには外の景色をながめて…🌠
次々と患者様の口から自分の動作確認の言葉が聞こえてきていました。
きっと、彼がこの半年間に伝えたかった「必ず自分でできるようになる」という想いが患者様の言葉になってでてきているのでしょう。
私自身この事があってから、今まで以上にリハビリスタッフと意見交換するようになりました。多職種全員が「この人のADLをあげ、QOLをあげていこう」とするのが、回復期リハビリ病棟の目標だと、やっとつかみかけてきました。
本当は正面からの笑顔の写真を載せたいくらい素敵な(^_^)で
今日退院されます。退院おめでとうございます🎵
リハビリテーション部の活躍と熱心さは伝わりましたが、看護部との他職種連携については、その後どうなったのでしょうか?
看護とリハのディスカッション以降について、不安と期待を併せ持つ終わり方でしたので、質問させてもらいました。
おっしゃる通りの現状です。毎日、少しばかりの期待と、押し潰されそうな不安の中でどうにか、回復期リハビリ病棟として歩き始めているという感じです。
ディスカッション(リハとナースや、ドクター、ソーシャルワーカー、栄養科など)の場面は、事前カンファレンス、回診カンファレンス、ウォーキングカンファレンスと三種類ありますが、このディスカッションの場面はウォーキングカンファレンスにはいります。リハ部と看護部のプライマリー性に対する意識の温度差や、お互いの情報共有などまだまだ掘り下げていかなければならないことが山積みなのはわかっていますが、今の現状の中で、私自身がつかみかけていることについて、書かせて頂きました。コメントありがとうございました。
この感覚、経験があります。
無理と言ってしまう人達には、どうも視点の中心が自分たちにあるように思います。
自分が大変だから、自分ができないから…
中心が患者様や利用者様だったら。
建設的な意見交換ができますよね。
根本には、不可能はない、どんな手段でいけば目標達成できるのか
そんなことを楽しみながら仕事していたいです。
私自身はわりと前向きな提案に、やろう❗やろう❗やってみよう❗と賛同するタイプなので、よく、リハスタッフから、話が持ちかけられます。
その時、必ず聞くのが、本人の願いが叶えるために、どんな段階を踏み、どんな手段を使うかと言うことを、セラピストとして、どう考えているかということです。
そして、自分でやってみて、介助量を確認し、どのタイミングで病棟で取り組むかを一緒に考えます。
全員で無理なく取り組むことも大切ですからね。
病棟に移動してきて半年。
リハビリスタッフの力で回復していかれる患者さんの体調管理と、回復した力を生活の中で伸ばしていくサポートができつつあり、楽しみながら仕事ができている最近の私です。