入浴への拒否が度々みられる利用者様。
スタッフが、
「お風呂へ行きましょう。気持ち良いですよ」と声を掛けると、
「行かん、入らんでよか」と強い口調になられる。

時間をおいて。
声掛けの方法を考え、
「私と一緒に少し歩いてみませんか」と声を掛けると
「行ってみようかね」と席を立たれる。

以前は農作業に精を出されていた利用者様。
天気や季節の話から農作業の話題になると、ご自分から熱心に離して下さり、険しかった表情も少しやわらぐ。

話をしながら、ゆっくりと脱衣室まで歩いていくと、入浴の準備(着脱等)をされている利用者様の様子をみて、
「お風呂に入らすとね」と尋ねられ
「○○さんも御一緒にどうですか」と声を掛けるが
「私ははいらんでよか」と断られる。

しかし、ここで諦めず、
再び利用者様が熱心に話された農作業の話を周囲の利用者様を交えてしてみる。
すると周囲の方の動きや「気持ちよかったよ」「入ってきなっせ」との声掛けにつられ、
ご自分から服を脱ぎ始められる。
「いつの間にか脱いどった、入ってこようかね」と言われ、
スムーズに浴室へ移動される。

入浴後は「気持ち良かった、ありがとう」とにこやかに話される。
利用者様にとって入浴は作業ではなく、
気持ちが大きく起因するナイーブで大切なことだと実感した。