けあぴ訪問リポートの第1回は、社会福祉法人 青山会 くわのみ荘(熊本県熊本市)

1973年設立

当時、辺り一面のくわ畑が広がる様から名づけられたくわのみ荘。
シンボルマークはその桑の葉を二枚合わせて、ハートの形につくられました。
人と人のふれあいを大切にする。
こんな思いが詰まった“げんば”をご紹介します。

帰って来たくなる場所

そこはまるで映画のワンシーンを思わせるような雰囲気に包まれている。 建屋の外観はヨーロッパの街並みを、敷地内にあるカフェはレトロでどこか懐かしくなる落ち着きを、そして何より屋内には様々な楽しさが演出されている。

平成18年熊本県健康福祉部長寿社会局認知症対策・地域ケア推進課は、認知症予防モデル事業として「あそび Re(り)パーク」(以下、本事業)を設立した。 「あそび」を取り入れた「認知症予防事業」として全国から注目を集めた本事業は「あそび」をツールとした介護予防を実践した。介護予防にとって大切なことは、「楽しく継続する」ことであり、“自然に”“積極的に”そして“自らが”主体であることが重要とされる。

くわのみ荘のデイサービス

デイサービスは、この「あそび Re(り)パーク」の本質を忠実に受け継ぐ唯一の場であった。
デイサービスのコンセプトは

デイで過ごす一日を自分でプロデュースする。

自分でメニューを組み立て、自らが選んでがんばった暁には、ポイント(疑似通貨)を得る。そしてこのポイントを使って更に過ごす時間を楽しむ。 勿論このような選択肢を用意することも素晴らしい。がしかし、もっと素晴らしいのは楽しもう!と気持ちをワクワクさせる環境づくり。楽しさは提供するものではない、感じてもらうもの。だからスタッフであれご家族であれ、共に楽しみを感じられる場であることが重要なのだ。


くわのみ荘の特養

特養のコンセプトは

特養のイメージを超えた特養。

旅館や料亭に迷い込んだかと、眼を疑う。綺麗に設えられたその部屋は、時にお花見に。時に家族でゆっくり過ごす憩いの場として使われるという。併設されたカフェでは、食事からスイーツまで楽しむことができる。一般の方でも利用可能だ。手作りの料理にオシャレなテーブルセット&カウンターが雰囲気をつくる。余談だが、手作りの「キナコもち」は中でも絶品!!


理念塾

スタッフのみんなが楽しむ様子が印象的で、それを尋ねてみると「理念塾」という場の存在を知った。「全職員で創った私たちの理念を確認・共有する場であり、毎年理事長含む全職員がここに参加する。」ということを教えて頂いた。この理念が共有されているからこそ、“どんなコト”をやっても楽しめるのだとわかった。 大切なのは「何をやるか」ではなく、「どうやるか」ではないだろうか。

人が楽しむ場として創られたこの場所に、また帰って来たいと素直にそう感じた。