それは、利用者さんとスタッフ(介護福祉士)でヨーグルトづくりを始める時のことでした。

椅子でくつろいでいたおばあさんに近づく、ひとりのスタッフ。どのように”連れていく”のか見ていると。

おばあさんの前に立ち止まり屈んで、ヨーグルトづくりが始まることを伝えるスタッフ。

スタッフの声に反応して、手を差し出すおばあさん。

2人は会話をしながら、立ち上がり手をつないで歩き始めます。

些細な光景なのかもしれません。でも2人の関係があまりにも自然で、見ているこっちまで気持ちが温まるのでした。
おばあさんは、くつろいでいたと思いきや、自ら手を伸ばしスタッフの手を取り立ち上がる。
スタッフは、忙しいでしょうにおばあさんだけを見てる。
2人で歩き始めたその姿は、どちらが手を引いているのかわからない程自然な関係でした。

サービスを。
提供する側、される側。もちろんあるのだけれど。それを見せずに共に時間を過ごす、一緒になって楽しめる。それでいて、しっかりと目的は叶える。環境と関係づくりができるのは、まさにプロの仕事なんだと魅せられました。

後から聞いてみると、そのスタッフは20代前半。いたずらに時間をかけることが専門性を高めることではないんだと。既にある感性を活かすことも専門性を発揮できることなんですね。

連れていく。なんて言葉は、不適切でした。