日頃ケアをおこなっていると、利用者のためにおこなっている利用者本位のケアなのか、はたまた、私たち介護者の都合に合わせておこなっているスタッフ本位のケアになってしまっているのではないかと疑問に思う事がある。
毎月計画している、回転寿司や喫茶店などに出かける利用者との外食も、利用者が食べたいものを考えて行先を決めているのか、引率するスタッフが行きやすく、店で介助しやすい場所を選んでいるのか、わからなくなってしまう。
何のために利用者と外食に行くのか、その理由は明確なはずなのに、本来の目的とはズレてしまっているケアが日常の中にはたくさんある。
過去に一緒に働いていた上司が、利用者に接している場面を見て、私たちのおこなうケアが誰のためのケアなのか気付かされたことがあった。
認知症を患っている利用者で、何度もナースコールを押して繰り返し色んなことを訴えられる方がいた。スタッフはみんな、他の業務もあって忙しそうに動いていて、その方には、その場だけの対応になってしまっていた。
その上司は、その利用者のために時間を割いて、ちゃんと利用者と向き合って対応していた。
その姿に感銘を受け、そんな介護者になりたいと憧れを抱いた。
元々、介護が好きで今の仕事を始めた訳ではない。
でも、やるからには理想に近づきたい。
私が上司に憧れを抱いたように、私のケアをみて、単純に「いいな」と思ってもらえるようなケアをしたい。
周りの色んな声や目線をはねのけてでも、自信をもってケアに携わり、自分が「これだ!」と思えるケアを実践していきたい。