当デイケアには4年程通い続けている方がいます。デイケアの平均利用年数は全国的に4年だそうです。4年前に大動脈の大病をされ、持久力の低下と腰痛のひどいその方は利用を開始されました。

介護度は3。施設内はシルバーカー歩行がやっとでした。当時の連絡帳のコメントを振り返ると「腰が痛い」「疲れた」という言葉が必ずと言って良いほど書かれていました。
看護職のサポートのもと、リハ職による個別リハの関わりや、介護職による生活面でのサポート、全職種がその方のために何が一番必要なのか考えながら関わっていきました。

そして、昨年9月に要支援1の認定を受けました。「利用回数が減ってしまうので困った」「もっとここに居たい」とご本人はおっしゃっていました。

我々は新しい提案をしました。

「その1日をボランティアとして迎え入れたい」

もともと奉仕活動に積極的だった方でしたので、利用中から色々なお手伝いをお願いしていました。
それらを「ボランティアとしてお手伝いをお願いします!」と依頼したのです。

今では入所のフロアにも出向いて、軽作業や傾聴などを行ってくださっています。

ボランティア初日、ボランティアのネームプレートを首にかけた時のなんとも言えないはにかんだ表情は今でも忘れられません。

「利用者様」ではなく、「社会の中の◯◯さん」になった瞬間でした。