100歳過ぎても布パンツでトイレに行っていた女性の利用者さんが居ました。
認知症もあり、会話のやりとりが難しい方でした。歩行は出来ませんでしたが、車イス生活を送っていました。このような100過ぎた方がトイレに行くというようなケースには初めて関わりました。

トイレの希望が多く「トイレに行きたい」と尿意もしっかりあるため、私はオムツにはしたくないと思いました。何度か布パンツへ失禁する事があったので、他職員からは「パットをした方がいい」という話も出ていましたが、パットは使用せずにトイレに行かせてあげたいと思ったのです。
立位は、高齢ということもあってままならなかったのですが、支えた状態で可能でした。

しかし、いざトイレに入り一人介助で対応するには困難だったので、お互いが楽にできるための方法は何かないかと考えた時に、お風呂場にある「イス」を道具として活用しようと思いました。そのイスを使って二人介助でしてみると、お互い楽にできたのです。
結局、その方は亡くなるまで、トイレを使うことができました。

最期までトイレに行ってもらうことができたのは、介護職員として道具と技を活用できたからだと思います。しかしそれは、知識や技が無いと発想力も湧かず、理屈もしっかりと理解していないと安易には使えません。
専門職として学び、得たものを様々なケースに当てはめて、これからも無理なく利用者さんの希望を叶えていきたいと思っています。