よく「3K」と言われ、給料が少ない等、いろいろと-イメージを持たれている介護職ですが、よりマイナスなイメージにさせる出来事が最近多々あります。介護施設内での虐待と言われる暴力、金銭詐取という盗難などです。ごく一部だろうとも思えるし、氷山の一角とも思えます。正直、介護職に従事する者としては怒り沸騰です。

ある施設での出来事です。
袖なしのベストを裏返しに着せられている利用者さん(Aさん)が居ました。Aさんは自分で着替えることはできないので、着させた職員がいることは一目瞭然。その時間に着させた可能性のある職員2名(B職員、C職員)に早速確認をします。まず、B職員に聞くと、「C職員が居室からAさんを車椅子で誘導していることころを自分が通りかかり、『裏返しになったけどバレなきゃいいか』と、話しかけられた様子。直後C職員に話を聞くと、最初はごまかしたように話をしていましたが、「B職員が『バレなきゃいいか』と言われたと話していたがどういうことか?」と問い詰めるとみるみる表情が変わり、観念。着せたまではいいものの、車椅子誘導をしたときに裏返しに気付きはしたが「バレなきゃいい」という結論に至った。

ここでの問題は、①B職員C職員との不適切な関係性と「バレなきゃいい」と思っている価値観、②管理者にバレたとしても大丈夫と思われているような感覚、人として利用者さんと向き合えていなかったこと。私はこのように考えました。

私達には、過ちを起こすことなく思いを行動に移す為の心強いアイテムがあります。
それは、ミッション・ビジョン・バリューです。法人そのものを体現するその「価値観」は、視覚的というよりも、より感覚的で感情的なものであるため、表現が難しいところがありますが、利用者さんに対して、自分自身に対して、仲間に対してどうあるべきかを折々に立ち戻らせてくれるものです。感覚的で感情的な「価値観」だからこそ、“本気で理解して大事にしているか”、これが最も必要なことだと思っています。

この感覚的で感情的なことを、現場ではどのように体現しているのか。これを私たちはより多く共有していきたいと思っています。職員のほんの少しの言動を言語化したり、些細な事でも敢えて地域に向けて発信したりすることが出来れば、「介護」も前向きに変えられると思っています。