利用者A様に言われた言葉。
利用者A様は、重度のリウマチと骨粗鬆症の方でした。
A様の介助には危険が伴うとのことで、当時新人だった私は、食事を運んだり、洗濯物をお部屋に届けたりの関わりしか持てませんでした。
いろいろな利用者さんとの関係作りに日々覚えることの多い業務など、やる気はありましたが、うまくいかず悩むこともありました。

そんな時、A様の全身清拭とシーツ交換を先輩とやらせてもらうことになりました。看護師さんにも教えていただきながら、進めていましたが、初めての全身清拭に段取りも悪く、注意されることもありました。そんな中、物品を取りに1度居室を先輩が退室した時に、A様が私に言ってくれたのです。
「今は新人さんで新しいことばかりだから、先輩に注意されることもあるけれど、誰に何を言われても、自分を信じなさい。私はあなたが好きですよ。私はあなたを信じているから、何でもやってごらんなさい。大丈夫。」と笑ってくれたのです。
A様は重度のリウマチと骨粗鬆症で体中言葉では言えないほどの痛みのある方でした。ご自分の体が辛いのに、新人にそんな言葉をかけてくださり、なんとも言えない気持ちで涙がでました。
その言葉を胸に介護職のプロとして、早く力をつけようと、先輩の後をつけては介助を覚えたり、進んで質問したりイメージトレーニングをしたのを今でも覚えています。

対人の仕事ですから、今でも悩みなど凹むこともありますが、そんな時思い出すのはA様の言葉です。