『かいごプロフェッショナル』 第8弾は、
有限会社相模テクノ(埼玉県大里郡寄居町)
認知症グループホームあかつき 取締役施設部長
介護福祉士 堀内康弘さん

不器用な自分に“人から信じてもらう嬉しさ”と“人を信じる強さ”を経験させてくれたのは、あかつきだった。「ここにいるみんなと素直に信じ合える場所で在り続けたいんだ。」と、人と向き合うことに本気な堀内さん。その周りには自然と人が集まってくる。

如何に成さば~自分のやりたいように~をつくる場所

まずは、あかつきがこだわりをもって育む環境と人についてご紹介したい。あかつきは、小さなグループホームからはじまった。堀沢会長が50歳にして一念発起して作った「居場所」が今ではひと山まるごと関連事業でいっぱいになった。ここは介護サービスを提供する場所なんかじゃない、誰もが居心地良く楽しく時間を過ごすための場所なのだ。露天風呂あり、共生型住居あり、娯楽施設あり、祭りあり(打ち上げ花火あり、太鼓演奏あり)、観音像あり、ユンボあり。この土地にあるほぼ全てのものは手作業で造られている。施設の入り口にある山の斜面を切り崩して造られた駐車場は、会長渾身の作品だ。

自分でやるから面白い

~誰かの手助けがなきゃやりたいこともやれないんじゃ、面白くないだろう。自分でやりたいようにやれることを手助けしたいよな。はなから車椅子使って移動の手伝いなんてしない、その人から歩くことを奪ってしまうことになるかもしれないんだぞ。使わないことを当たり前にしておかないといけないんだよ。これは職員の心構えとしても大切なことなんだ。そうそう、施設の頭を任せるなら“ワルかった奴”にやらせるんだな。親分には忠実、仲間の大切さを知っている、なによりなんでも怖がらずにやってのける。こいつ(堀内)だよ。~堀沢会長が語ってくださった一節である。
会長であれ社長であれ、堀内さんのやることに余計な口は挟まない。任せると決めたからには信じ抜く。施設運営も自分でやるから面白いのだと。

社長に恥をかかせちまった

仕事に就いてまだ間もない頃、あかつきが所属する協会の会合へ社長と供に出かけた時のことだった。お歴々が集う中、当時はまだ若かった。ロン毛で茶髪、やぶれたジーンズといういでたちに周囲の目は冷ややかだった。自分の格好に違和感など今までなかった。けれど、その場では相応しくない格好であることを痛いほどに感じた。他者を通じて自分の事がわかった、そんな初めての感情だったように思う。(社長に恥をかかせちまった)悔しい経験だった。
~堀内は人を育てるのが上手い、自然と周りに人が集まってくる。~と話してくれたのは、堀沢社長。この悔しい経験があったからこそ、人と向き合う姿勢の大切さを学んだのだと堀内さんは教えてくれた。

自分達のやっていることが日本で一番

一番嬉しいのは、あかつきに来てくれた人たちが「あかつきの職員のみなさん、楽しそうですね!」と言ってくれること。そんなはたらく環境づくりをするのが施設部長の役目だという。もうひとつ欠かせないのは、利用者さんが楽しむということ。だから、利用者さんができることをひとつでも見つける。確かにあかつきの中では、忙しく動いている人が多い。役割を得る=誰かの役に立つ、その喜びは何にも代え難い。誰が声を掛けるわけでもなく気付けば配膳やごみ運びまでも利用者さんがやってくれる。「ユンボが運転できるって方が居た時には助かりましたよ!」危険が潜むことに敢えて取り組むなんて、と思ってしまうのだが実はそうではない。その方(ユンボを運転する方)には豊富な運転経験があり、ド素人の20代30代が扱うのとは比べ物にならない程安全である事。またその経験を活かさず失わせてしまうことの方が余程危険なのだと話してくれた。
正解なんてないからこそ、その人たちのことを真剣に考える。その真剣さを比べるものさしなんてどこにもないけれど、誰にも負けない自信が勿論ある。

家族

血ということではない。そこにその人が居る安心感、そこにその人が居なくなる寂しさ、そんな当たり前の空気があかつきにはある。
時間を見つけると趣味である釣りへ出かける堀内さん。良い釣果があるとわざわざ会長に連絡を入れて写真を撮りに来てもらうのだとか、「会長写真がめちゃくちゃ上手いんです」と照れ臭そうに話す様子が無邪気で印象深い。仕事で会長に怒られると必ず助けてくれる社長。人を疑いがちだった自分に、どんな時でも支えてくれる、想ってくれる、聞いてくれる存在は、信じる強さをその身を持って教えてくれたという。

堀内さんはこれからあかつき魂を継ぐ。
あかつきを楽しいと思ってくれる仲間をつくる。必要としてくれる地域の方々を増やす。寄居の地に「居場所」で在り続けるために。

グループホームあかつき

埼玉県大里郡寄居町鉢形3178-8

~豊かな自然環境と多彩なサービスプラン~
家庭と同じ環境で、自由気ままに、ゆったりと・・・

利用者の方の必要に応じ、必要なサービスを心を込めて提供させていただき、最後まで地域で生活できるよう応援いたします。