今回の震災で確認された死亡者の年齢は、60歳以上の高齢者が全体の65%を占めていたという(平成23年4月19日警察庁発表)。岩手・宮城・福島の高齢化率(60歳以上)は32%であったが、震災3県の死者の年齢別内訳は、0~19歳(6.5%)、20~59歳(28.3%)、60歳以上(65.2%)であった。

地域全体が高齢化している地域では、高齢者の災害弱者としてのリスクは都市以上に深刻な問題といえる。また運よく助かったことにしても、その後の避難生活が命の危機につながることを強く認識することが必要である。

津波から助かった命が、人間社会がそれを守ることが出来ないとしたら、現代社会こそ「大震災」といえるのかも知れない。私たちは、一人ひとりの命は一人では守ることが出来ないことを普段から意識し、「お互いさま」の掛け声が街中にあふれる生活を心がけ、人を気遣うことを大切にすることが必要である。

今、被災地にはふるさとの復興のために立ち上がっている人たちがいる。こうした人たちがあきらめることなく復興にまい進できるよう継続した支援が今後も引き続き必要である。

その支援の一歩が「気にかける」であろう。

被災者を思いやる心が続く限り、復興は力強く進み続けていくものと思う。全国の皆さんからの支援を期待したい。