「友達が待ってるから」

と綺麗にお化粧し、おしゃれをして居室から出て来られたSさん。
「どちらで待ってるの?」と尋ねるとある町とのこと。
幼少期をその町で過ごされたSさん。

夢で初恋の方と再会した様子。

「どんな方だったの?」の質問に、
顔を綻ばせ、ちょっぴり頬を赤く染めながら
「かっこよかよ」(かっこいいのよ♪)と一言。

その日から、Sさんの心は、少女時代にタイムスリップ。
普段着られる洋服もレースやフリルのあるものを好んで着られるように。
また時折
「今日は、私の結婚式だから」と外に出られたり、
「車で迎えに来てるから」と駐車場で待たれたりと、徐々に不安定な状況に・・・

でも、初恋の人を想う時のSさんの表情は、穏やかで本当に乙女という言葉がぴったり。

そんなSさんの想いをなんとかしたいと思うスタッフは、
気分転換にドライブをしたり、デパートでショッピングをしたり。
するもののSさんの心は一途に初恋の人に・・・
少しでも、Sさんの心が、想いが満たされることは、できないかと思案中。

初恋の想いを叶えてあげられなくて、ごめんね・・
でも、きっと素敵な初恋だったんだろうなと少しうらやましい気も・・・