介護福祉士キャリア9年。その中で唯一諦めた挫折の経験。
どうしても好きになれなかった・・・。
認知症専門棟にその方はいらっしゃった。
大の女性好き、わかり易く男性は大嫌い。それをコミュニケーションに露骨に表す方だった。
男性はどんなスタッフでもダメ、話しすら聞いてくれない。
その方は転倒の危険性がかなり高く、立ち上がるとすぐに転倒してしまうような方で、
おまけに指示が入りづらい状況。
その為一番苦労した時間が夜間。
夜間に起き出すとなかなか再入眠せず、マンツーマンの対応になってしまう。
そんな中私の夜勤中、なんとか穏やかに休んでもらいたいと思い、
カツラをかぶり、女性スタッフの服装を真似てその方に近づいた。
なんとか女性の演技をその方はすやすやと再び眠りにつくことが出来た。
その時の充実感は相当すごいものがあった。
一生懸命に努力も工夫もしてみたが、やはりダメ。
だんだんとその方にとっても私にとっても良いことは無いことに気付き始めた。
十人十色、万人と分かり合える人など居ない、
そのことを上司に打ち明け前向きに担当を外してもらったのだった。
後任の担当は勿論女性。上手に施設での時間を過ごしていたようだ。
我々スタッフにも様々な個性を持った人がいる。
施設側の考え方を押し付けるように仕事をするのではなく、最適な仕事ができる環境づくりが必要だと身に沁みた。
1人で頑張ろうとしてもダメ。
認知症の方へのケアは皆で関わっていくことが必要。
1人でがんばらなくても良いのです。
ケアレシピ拝見しました。考えられる可能性を真剣に追求するケアの姿がとても素敵だなぁと思いました。
ケアを提供する側、ケアを受ける側、どちらも人間ですので、「相性」ってありますよね。ちなみに私たちも1人だけで頑張らない様にしています。方法としては、スタッフ5人くらいで、交代しながら対応するようにしています。①優しい表情で傾聴し、②ご本人が理解しやすい言葉で、③長期記憶へのアプローチを重ねることで落ち着かれるといった印象です。長いときは2順目までかかることがありますが、他のスタッフがやっている対応方法を学べるチャンスだと思っています。
ほっこりさん。素直で素敵な方ですね。
真剣にケアに取り組まれておられる姿がうかがえます。
なかなか上手くいかない事を認めずに無理をしてしまい、お互いに辛い思いをしてしまっていることに気づいていないし、周りも気づいてあげれていない事も多いと思います。
キャリアがあれば、余計に言えなくなることも沢山ありますよね。「頼る勇気」大切なことだと思います。
私たちも「誰かができない所は、できる誰かがする」というスタンスで行こうと思っています。