徘徊者発見模擬訓練の研修後のグループワークでの一コマ。
聴講者の一人Aさんが、自身の体験談を話されました。

「私は、友人が入院している病院へお見舞いに行って、
その帰りに、お見舞いで頂いたものなんだけどって、
言われ、1房の大きなバナナをもらったんです。」

「1房といってもバナナが20本程ついており、
手に持って歩いて帰るには、とても重たいので、
少しでも、バナナの量を減らそう、軽くしようと思い、
病院前の道に座り込み、バナナを食べていたんです。

2本ほどを食べ終わった頃、見ず知らずの人が
歩いて近づいてきて、突然、
「おばさん!大丈夫?」
「帰る道は知っているの?」
「家はどこなの?」
「連絡先は知っているの?」
って立て続けに聞くんです!!

どうやら私のことを徘徊者と間違われた様だったので、
私は、何度も「大丈夫です。」「大丈夫ですから。」
と返事しましたが、その人は、心配そうに
なかなかその場から離れてくれません。

本当に嫌な思いをしました・・・。
声を掛けるにしても、声のかけ方ってもんがあるでしょ。
認知症かな?大丈夫かな?道に迷ったかな?と思って
声を掛けてもらえるのは有難いんだけど・・・。
あんな上から目線で、職務質問のように言われたくないです。」

グループワークの会場で、大きな拍手が起こりました。
もし自分自身が徘徊されている方を発見したら、
どのように声を掛けたほうがよいのか?

もし、自分自身が認知症で、道に迷ったら
どんな声を掛けてほしいか?

お蔭様で、「発見者」と「徘徊者の両方の立場で考えることができました。
聴講者のAさん、認知症ケアのヒントになる素晴らしい体験談
ありがとうございました。感謝。