当設に入所されて一年と満たない方がおられ、娘様は入浴日に合わせて洗濯物を取りに来られている。当設は特養である為、洗濯物も引き受けている。

しかし「本当は私が母の面倒をみなくてはならないんです。せめて洗濯物だけでもと思っています。これでしか母と繋がる事がないような気がして」とのこと。

そして「食欲がなくなり、体重が減って欲しくない。昔の母に近づけたい。」という願いがあられる。食事が入らない時に食べさせて欲しいと、本人様がお好きなお菓子を持参されているので、それを提供する約束ができている。

ある日の夕方、立ちあがって何処かに行かれようとすることがあったので散歩に出かけた。

「ぶどうの炭酸が飲みたい」

と初めて自ら言われたので、びっくりしたのと同時に娘さんに早く伝えたいと思った。
面会に来られる時間と自分の勤務がなかなか合わないので近況報告も一緒に手紙を書くことにした。
手紙を見た娘さんが直ぐにぶどうのジュースを買って来てくれていた。

それから手紙のやりとりをするようになった。

手紙の内容から信頼に繋がったように感じ嬉しく思う。
娘様の思いを考え理解しようと一生懸命携わったこと。
信頼をされたこと。

娘様がスタッフに教えて下さったことを大切にしていきたい。