初めて担当になったS氏は、いつも変わらない笑顔が素敵な方だった。

100歳を超えていらっしゃったが、女性スタッフに対し、
「あなたは、いつも綺麗にしているわね」と気遣ってくれたり、
自分で髪をとかしたりされる姿に、いつまでも女性でいることを忘れないということも教えてもらった。
人と話すこと、いつも賑やかな場所にいることが、お好きな方だった。

段々と体調を崩されることも多くなり、当設での看取りとなった。

少しづつ居室で過ごされることも多くなり、起きて食事をされることが減ってきた。
最期の日、お元気だった日のようにベットごと賑やかなフロアーに出て、みんなが体操している中で過ごし、居室に帰って大好きな姪さんと会われて直ぐに息を引き取られたとのこと。

最期にも立ち会えず担当として「何をしてあげられたのか?」と考えていた時に、
この最期を迎えられた時の話を聞き、亡くなるまで、お好きだったことをしてもらう。
生活の場である当設での過ごし方についてS氏や先輩スタッフから学ばせてもらった。