私の担当の入居者様の一人で、色が白く頬は少し赤く、可愛らしい美しい方だった。
写真を撮ろうとすると、それまでは無表情だったのがニコッとされる。

重度の貧血があり、ベッドの上で寝て過ごされることも多くなった。
御家族も「時に任せます。体調が悪くなるのも仕方がないです」と考えられていた。

ちょうどその頃、母の日だったのでカーネンションを渡しに行き笑顔で「ありがとう」と言葉が聞かれた。
その時その姿を見ていたNSが「今日は調子が良さそうだから座ってもいいんじゃない」と言ってくれた。久しぶりの座位だったので私は少し不安でソワソワしながら一緒にベットに座っていたのだが、しっかりカーネンションを持ちカメラに向かって笑顔になられた。

御家族に写真を見せると嬉しそうに何度も何度もお礼を言われた。

それから、いつの間にかその方の写真を撮ろうとするとフロアーのスタッフ全員が集まるようになった。
一人の方をみんなで「同じ思い」でみる。担当として嬉しかった。