私が、認知症のAさんに教えられた印象的な話。
「何てかな?(今、何と行ったのですか?)」
そんな言葉から始まり、
「私には、アンタたちの話が早送りに聞こえる。」
「もっと、ゆっくり(言ってくれ)。」
私はその時、初めて
「ゆっくり語りかける意味」を学んだ。
早送り・・・。
確かに、映画やビデオ、ラジカセテープの早送りを聞いても、
すべてを上手く聞き取れるはずがない。
私たちが普通に話している言葉。
急ぎながら早口で伝えている言葉。
それら全てが、早送りになって聞こえているとすれば・・・。
専門職として、恥じながら大きく学ばせてもらった瞬間だった。
その日から、可能な限りゆっくり話し、
ジェスチャーを混ぜながら伝えるようになった。
このエピソードは私にとって大切な宝物。
各種講演会の中でも、聴講者へ伝えています。
Aさん、あの時、お気持ちを教えていただき
本当に感謝しています。ありがとうございました。
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