皆さん、「抑肝散(ヨクカンサン)」という
漢方薬をご存知ですか?

1980年代には、
易怒性や興奮状態にある脳卒中後遺症に対して、
近年では、
認知症の周辺症状(興奮、易怒性、不眠・幻覚、など)に対して
有効性が報告されています。

先日参加した「認知症と東洋医学」の講演では、
こんな、事例も報告されていました。

医師Aのもとに定期受診に来た認知症のBさんと、娘のCさん。
医師が、介護負担に悩む娘さんに、介護への負担度を尋ねると、

娘:「母の介護にイライラして、試しに母の抑肝散を飲んでみた。」
  「すると、イライラがすっきりして、介護負担感が減った。」

A医師は、この日以来、
必要があれば、介護者家族も受診してもらい、
抑肝散の処方も検討するようになったそうです。

東洋医学には「母子同服」という言葉があります。
(子供の病気に対して、母子ともに服用すること)

本人、家族のみならず、場合によっては
ケアに携わるスタッフへの処方もあるのか・・・!?。

個人的には、認知症の人にとって一番の万能薬は
周囲の人の関わり方そのものであると思っています。

西洋医学・東洋医学、統合医療・・・
どの切り口で医療を提供するにしても、
私は認知症の方の「ヒトグスリ」でありたいです。