全5回の認知症サポーター養成講座と、
全6回の模擬訓練に向けた連絡会
地域の住民や施設と協働し、実施した徘徊模擬訓練。
実に、1年計画のプログラム。
そんな徘徊模擬訓練を終えた最終報告会でのこと。
グループディスカッションの中で、こんな話が、
Aさん(認知症の旦那を介護するご家族)から出た。
(Aさんの話)
私は、認知症の旦那を介護しているけど、
初めは、認知症とは思わなかった・・・。
最近、同じこと言う。置忘れがある、怒りっぽい・・・
うちの旦那、認知症かしら?
ご近所の人たちにそんなことを言っても、
「年をとったら、皆そうよ。」
「年をとったら、誰でもそうよ。」
周囲の隣人がそう言うから、
「誰でも同じなんだ」って、信じていた・・・。
だけど、この講座を1年前に聞いて、症状が似ている!
もしかして・・・と思い、旦那を連れて
物忘れ外来へ行ってみると、認知症と診断された。
トイレの場所が分からず、バケツやごみ箱に放尿。
夜中になると外に出ようとする。孫が手を握り、
必死に説明している間に、リビングで失禁・・・。
診断後、しばらくして施設入所となったけど、
夜中の介護は、本当にきつかった。
この講座に参加したことがきっかけで、
私の生活が変わったんです。
(終)
私は認知症の方に携わる専門職として、
地域における認知症ケアの底上げと、
支援拡大の必要性を強く感じた。
それと同時に、「年をとったら皆そう!!」という
軽率な言葉が、認知症を疑った時の早期受診・早期対応を
遅らせてしまうことを学んだ。
(年をとったら、そんなこともあるけど)
一度病院に行ってみたら?認知症の場合もあるから。
是非、日本全国で薦めていただきたい。
認知症は、脳の器質的な障害を伴った疾患です。
心疾患や癌、糖尿病などの他の疾患と同様に、日常生活における予防と早期発見、早期治療がとても重要です。
どんな病気でもそうですが、「こんな症状はよくあること。」「これぐらいは大したことない。」と言って時間が経過してしまうと、病状が随分進行していたり、合併症を併発することもあります。
「これはちょっと変だぞ。」「もしかしたら・・・。」と自分自身や周囲の人が気付けるかどうかが大切です。
レシピを拝読させていただき、認知症の方に携わる私たち専門職は、予防や早期発見のための知識や方法を地域に広げることや、「もしかしたら」と相談を受けた際には、適切に対応して治療につなげたり、自宅や地域でのケア方法の伝達、支援ができるようにすることが必要なのだと感じました。
ありがとうございました。
ところで、実施された徘徊模擬訓練。一年計画のプログラムとの事ですので、相当のご苦労があった事とお察しします。
全国、様々な地域で、このような訓練が実施されているようですが、私たちの地域では、まだ実施された事がありません。
どのようなプログラムで実施されたのか、また機会がありましたら、ぜひご教示頂ければと思います。よろしくお願いいたします。
私たちが実施した徘徊者発見・声かけ模擬訓練にまで興味を持っていただきありがとうございます。
コメント欄での表現では、限界があるため、新たにレシピ化させて頂きますね。しばし、お待ちください。
齊田さん、お待たせしました。
まずは、徘徊者発見・声掛け模擬訓練のプログラム全体像を
「認知症の方への声掛け。」にアップしました。ご確認ください。