先日、「第1回 認知症はいかい高齢者 捜索・声かけ模擬訓練」を開催しました。
当日は、地域にお住いの方々や民生委員の方、老人クラブの会長さん、介護学生、地域包括支援センターの方など合わせて36名と職員20名、総勢56名が参加しました。
訓練を開始する前に、「認知症のはなし~高齢者にやさしいまちづくりにむけて~」をテーマに、認知症専門医を講師に招いて講座を開催しました。その後、訓練の目的や方法について説明し、はいかい高齢者への声のかけ方や発見後の対応方法などについて、デモンストレーションをおこないました。
そして、いよいよ訓練の開始です。
職員5人がはいかい高齢者役になって、施設の周辺地域をはいかいしました。参加者には、市からの一斉メール送信による捜索依頼があったと想定し、不明になった高齢者の特徴について情報提供をおこないました。
参加者は2~3人ずつのグループになり、手元にある情報をもとに捜索をしました。
はいかい高齢者役の職員を発見したら声をかけ、捜索中の高齢者だとわかったら、警察に連絡する訓練として、この日は施設に電話連絡をしてもらいました。
訓練後、参加者からは「捜索中の高齢者らしき人を発見しても、本当にその人なのかどうか不安になり、声をかけづらかった。」「『こんにちは。』と声をかけることはできても、相手が困っていることや名前、住所など、会話を展開させていくのが難しかった。」「消防訓練のように、定期的にくりかえし訓練する事が大切だと思った。また参加したい。」等の感想がきかれました。
また、はいかい高齢者役の職員からは「心配そうにやさしく声をかけてもらえると、とてもうれしかった。」「数人で囲まれて話しかけられると、威圧感があり怖かった。」等の感想がありました。
今回の訓練は、当施設・法人にとっては初めての試みです。事前に地域包括支援センターや警察署、消防署等にも相談し、地域の民生委員の方々や町内会長の方々、老人会、近隣の店舗などにも協力を依頼しました。病院の玄関や外来でも患者さんに声をかけ参加を呼びかけました。
全国の市区町村では、このような取り組みはすでに10年以上前から実施されていますが、当施設の周辺地域では、これまで実施されたことがありません。
当施設のような小さな事業所でも、誰もが暮らしやすいまちづくりに貢献できればと思い取り組みました。
訓練をとおして、改めて地域連携や地域協働の必要性を感じ、今後もこのような訓練をコツコツと繰り返し実施していきたいと思いました。
コメント 2件
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スペシャルサンクス
専門職と地域住民が連携して始めた第一歩おめでとうございます。地震避難訓練や火災避難訓練のように定期的に行えるといいですね。向こう3軒両隣が疎遠になった現在、このような取り組みは地域包括ケアシステムの重要なベースとなると感じています。
地域包括ケアシステムの構築について、それをどのように実践していくのかが課題になっています。
そのためには、地域住民や介護施設、医療機関、行政など、地域を構成する要素が交流するための機会の創出、すなわち”仕掛け”が必要だと思っています。
今回、訓練の準備をする中で感じた事は、それぞれの要素がまだまだ縦割りの関係にある事です。地域連携や地域協同が、実用的なものになるには少し時間はかかりそうですが、私たちにできる事を、コツコツと始め積み重ねていくことが大切だと思っています。
川畑さんが昨年実践された訓練のレシピ、大いに参考にさせて頂きました。ありがとうございました。
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