「人は皆、有用の用を知りて、無用の用を知るなきなり(無用の用)」
という言葉を新聞で見かけました。
紀元前の中国の思想家の言葉らしく
「人は役立つものばかり求め役に立たないように見えても存在自体が有用なものが多いのに、
それらに目が行かない」
ということらしいです。

読んでいて、そういえば介護ってこの言葉と似たような事ってあるなと思いました。
「もう、何の役にも立たんで毎日皆さんにお世話ばっかりかけてから、申し訳ない」
聞く度に切なくなって、こんな事言わせて逆にこちらが申し訳なくなります。
当たり前に年取って、当たり前に物忘れするようになって、足腰が痛くて動かせなく
なったり、食べ物に咽せるようになったりしているだけなのに。
 
色々な事が出来なくなるのは高齢者だけじゃなくて、健常者だっていつ何時事故や
病気で誰かのお世話になるようになるかもしれません。その結果働けなくなって
生活保護を受けざるを得なくなることも、今の日本ではあり得る事です。

お世話にならずに暮らしていけるに越した事は無いですが、いざという時は支え合って
いく、役に立つか否かという基準ではなく、という世間ならば少し生き易いのでは。
介護の現場では介護職員もご利用者に支えられながら働いています。
少し要領が悪くて仕事が遅くても不思議とご利用者に人気のある介護者が居たりして・・・、
互いに支え合ってますね。

という事は?介護の現場は理想的な世の中のモデルということですかね。