医療法人社団勝優会が運営する、ホスピタルケア白金高輪は港区にある住宅型有料老人ホームです。
今回特集するのは、藤原圭希さん(訪問看護認定看護師)です。

プロフィール
看護師(訪問看護認定看護師)、保健師、介護支援専門員
大学病院勤務、訪問看護管理者を経て現在に至る。

#4 「お互いが意図を汲み取れる言葉」

共有することの難しさ

医療や介護の現場では、ご利用者さんを中心にして、医療・介護に携わる専門職がお互いの持っている情報を、生活の質を高めるために活かし合うことが求められることが求められている。「チーム医療」や「地域包括」という言葉はあれど実践するのは容易いことではない。専門性を活かし合うことが如何に難しいのかを感じるわけである。
今回は、看護師と他職種(主に介護福祉士、介護士職員)との関係づくりについて取りあげてみたい。

育成過程の違い

看護師は「保健師助産師看護師法」において、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじよく婦(※妊産婦)に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする。
ちなみに、准看護師は「保健師助産師看護師法」において、都道府県知事の免許を受けて、医師、歯科医師又は看護師の指示を受けて、傷病者若しくはじよく婦(※妊産婦)に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする。とされている。
介護福祉士は「社会福祉士及び介護福祉士法」厚生労働省令で定める事項を介護福祉士登録簿に登録を受け、介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うことを業とする。
介護士職員は「介護保険法」に示される、その他政令で定める者として、行うことが認められる業務を業とする。とされている。(※その他政令で定める者とは、各都道府県が指定した事業者が実施する、介護職員初任者研修を終了し、修了証明書の交付を受けた者。)

ここで注目したいのは、それぞれの教育課程である。
看護師及び准看護師の場合は、必要期間を教育機関(大学、大学院、短大、高校、養成所)で学ぶ。

介護福祉士の場合は2つの方法がある。
①厚生労働大臣が指定した養成施設を卒業する方法 
②3年以上介護等の業務に従事した者等が介護福祉士国家試験に合格する方法

介護士職員は厚生労働省が指針を示し、各都道府県の実施要綱に基づいて行われる「介護職員初任者研修」(130時間)を修了する。

看護職と介護職で異なる点は、教育機関での学習が必須でないことである。介護福祉士及び介護士職員の場合、教育機関で学ぶ期間が無くても資格取得が可能となる。全ての職種において、現場で経験を積み学ぶことが重要なのは言うまでもないが、基礎教育の点で差が生じているのかもしれない。

共に働くために、共に学ぶ

生活に近い現場で働く看護職と介護職はお互いに力を合わせて業に取り組む。加えて、医師や歯科医師、理学療法士や作業療法士や言語聴覚士、薬剤師等の他職種を交えたチームが形成される。チームを効果的に活動させるためには4つのポイントを明瞭にしておきたい。①目標(このチームはなにを達成するのか)②役割(そのために参画するメンバーはどのような専門性を活かすのか)③やり方(優先順位や具体的手順などどのように取り組むのか)④関係性(お互いを尊重し合う良好な関係)

効果的にチームが運営されるように
ホスピタルケア白金高輪 藤原さん は看護師は勉強会を実施している。
限られた時間の中で効率的に運営されている。目的は、共通言語「お互いが意図を汲み取れる言葉」(言葉を使う双方にとって言葉が明瞭であること)を持つことである。いたずらに時間をかければよいというものではない。

今までこんなテーマに取り組んできた。
ユマニチュード
救急時の対応
接触嚥下
口腔ケア
デスカンファレンス
排泄
胃ろう(カテーテル) 

知識を獲得することだけを目的にするのではなく、「如何に現場で使えるか」を軸にして勉強会は開催される。
学んだことが現場で活かされれば、提供される介護サービスの質が向上することはいうまでもない。学習するチームは継続されるのである。

藤原さんが働く場所

医療法人社団勝優会 ホスピタルケア白金高輪