7~8年前。世の中は不景気で、就職難だった。リストラにあった20代から40代の男性が、続々と介護の現場に入ってこられた頃だ。

トラックの長距離運転をしていた人。
船の修理工だった人。
実に様々な方々が職を求めてこられた。

今は、少し景気がよくなったのだろうか。その様な方は、見受けない。
反対に、介護職の男性が、違う職種に移り始めた。

私のいる老健も、離職者が後を絶たない。一旦は正職員が定数になったのだが。

経営者側は、あれこれ策を練る。スタッフからは、これ以上人が辞めないように処遇改善をとの声。

私は、最近よく思うんです。
どんなに処遇改善しても、どんなに引き止めても、
介護の現場で長く働くには、
"自分の、介護を通しての夢や。やりがい"がないと、続けられないと。

きつい。成果が見えない。同じことの繰り返し。

本当に介護は大変なんです。

それを仕事として続けていくには、自分自身の気持ちが1番大切なのです。

幸い、私が介護の入り口に関わった人たちは、今も毎日笑顔で続けてくれています。

たまに逢うと、"がんばってますよ"って笑顔で話してくれます。

今の職場にきて管理職2年目。

"私が老健でやりたいこと、夢"を語りかけようと思います。
そして、ひとりでも多く、
"自分がやりたかった介護"を思い出してもらいたいと思います。

介護の世界は大変です。
がんばってもがんばっても報われないことの方が多い。

けれど。ふと回りを見てほしい。
あなたの介護が支えている利用者さんの平和な毎日がそこにあることを。