入居時より座位時の前傾姿勢が著明であった。
食事を自力摂取されるのだが前傾になってしまうので口から皿へ持って行くような状態であったため、食べにくく、本人は一生懸命であったが見栄えも悪かった。

しかし自律支援として本人が自力摂取できるうちは、自分で食べて欲しいが、周りの目が気になるのも正直な気持ちであった。座位時に何度も姿勢を整えても直ぐに崩れてしまう。

そこで「車椅子と身体の間にクッションを挟む」で様子をみていた。
しかし、直ぐにクッションはズレて外れてしまい状況は変わらなかった。

ある日、いつもより長い距離を歩行された後、職員Fが
「しばらく座っているけど姿勢が崩れないですね、いつもより長く歩いていたから疲れているかなと思ったんですけど、反対に良かったんですかね」
と意見があった。

それ以降少し長い距離の歩行を生活リハに取り入れてみた。
結果、座位時の姿勢も以前に比べ真っ直ぐである事が増え、無表情なことが多かったが穏やかで笑顔も増えた。

クッションで傾きを整えたとしても状況は変わらず、
一時的なもので生活リハとして歩行を加えたことによって大きな変化が見られた。