これは、私が(事務職)入職して間もない頃の思い出です。

その頃に入院されていた40代の男性の患者様は、体が不自由で車いす生活をされていました。社会的入院というやつで、生活すべてがこの病院になられていたようです。

その頃の私は20代。まだ外来の待合室でタバコが吸える時代でした。昼休みになると休憩がてら、毎日そこでタバコを吸いながらスポーツ新聞を見ていました。
いつの頃からか、その男性の患者様と昼休みに話をするのが日課となっていました。その患者さんもスポーツ大好き、タバコも大好き、缶コーヒーを片手にいつもニコニコしながらたわい無い話をしていました。
しかしいつまでもこの入院生活に甘えてばかりもいられず、社会復帰の為、ある授産施設へ行かれることとなりました。

最後の別れになるかもしれないとの想いもあり、運転手を買って出て、
相談員と二人で送り届けました。
今はどこでどのように暮されているか、全く分かりません。
事務職員ながら、
少しでも入院されていた頃の時間が患者様にとって、有意義だったのであれば幸せです。

様々な状況を抱えていらっしゃる患者様。
様々なスタッフが対応できるからこそ、応えられることもあるのだと思います。

事務スタッフとしてもやれることをひとつずつ見つけていくと、
受け身にならず楽しめることを教えてくれた方との思い出です。