担当していたH氏が独り暮らしをされていた頃、
ヘルパーさんに生活援助、デイサービスでの入浴をしてもらい認知症の進行を予防していた。
しかし認知症が徐々に悪化していった。

そんな中、近所の方より消防署に通報があり消防車が出動し一緒に指導を受けた日もあった。自分で箪笥の整理ができずにいたが、ヘルパーさんがサービスで整頓して分かるようにと箪笥に表示してくれた。

毎日仏壇に参られる為に蝋燭に火を点けられるためだった。

近所の方や大家さんから連絡もあった。電気式の蝋燭を市社協の金銭管理事業より了解を得て購入したりしたが、それに火を点けて溶かしたりして危険であった。火を隠しても近所の方よりマッチを借りてきたりを繰り返していた。

独居の限界を感じ、後見人申し立てをしている最中に自宅で転倒骨折され入院。その後、状態安定はしたが、独居での在宅復帰は困難と考え施設入所となった。

認知症が進行して行く中で、本人なりにぎりぎりの状態まで在宅生活ができたのは、各事業所が親身になり知恵を出し合いながら、本人の尊厳や思いに寄り添うことが出来たからだと強く思っている。