愛する妻に先立たれ、大切に育てた息子様も見送ることとなったAさん。
気持ちの落ち込みは計り知れなかった。
思うように動かない身体と、思うように自制できず過敏になった心を持ったAさん。
Aさんから『もう天国へ行きたい』と言われた。
私には想像することもできないほどの出来事であり、Aさんの気持ちを、ただ聴かせてもらうことしかできなかった。
その日1日、Aさんを観察していた。
すると、『天国へ行きたい』と言っていたAさんは、入浴時間になり浴槽へ入ると、満面の笑みで『極楽、極楽』と言っている。
他にもあった。
デイケアの帰りに寒い外に出ると『中は極楽だったな』と言っている。
どうやらAさんにとっては『天国』と『極楽』は違う場所にあるらしい。
そして、『極楽』は人それぞれ違うらしい。
私たち介護職は神様ではないが、どうやら私たちには『極楽』を創るお手伝いも出来るらしい。
・・・やっぱり介護は素敵な仕事ですね。
感動しました!
人を亡くす悲しみは、祖父のその時痛い程感じました。そんな時、助けてくれる人など居ないと思っていた。
勿論その悲しみは消せないのだろうけど、ほんの一時でも気持ちを癒してくれる環境を創りだす介護。
その仕事の魅力に引き込まれます。
なるほど・・・。目からウロコでした。(極楽=楽しいの極み→快適と感じる感情の極み。)
私たちでは計り知れない、辛くて悲しい経験をされたAさんに、耳と心を傾け、満面の笑みを演出。
どこに極楽スイッチがあるか分からないからこそ、しっかりと観察し、分析し続ける。
Aさんが何気に発信した情報を逃さない投稿者Uさんの「受信・解析力」、勉強になりました。