周辺症状(認知症の行動・心理症状:BPSD)には、
徘徊、暴言、暴力、過食、興奮、不眠などの陽性症状(活動的な思考や判断、行動・心理)と、無気力、無関心、抑うつ、拒食、感情鈍麻などの陰性症状(不活動的な思考や判断、行動・心理)がありますが・・・
抗認知症薬そのものが、トリガーとなって陽性症状が増すのか?
それとも、抗認知症薬で認知機能が改善したところに
不適切な人が関わり、その関わりそのものがトリガーとなって陽性症状が増すのか?
どっちなんでしょうね・・・。
答えは、分かりません・・・。(ごめんなさい)
答えを、どっちと決めるものではなく、
人の関わり方の失敗によるトリガーだけは、
極力避けるというのが、納得できる答えなのかもしれません。
「物忘れ外来」で、症状が良くなる人は、
家庭での関わり方を一緒に学ぶ家族と一緒に来るケースが多いですし、
悪化する人は、一人または、詳しく知らない付添人と来ることが多い。
認知症予防薬が完成するその日まで。
私が持っている「ヒトグスリ」の効果・効能を高め続けたい。
そのように思っています。
川畑さん、こんにちは。
抗認知症薬がトリガーとなって、認知症の方の周辺症状が悪化することはありますが、その抗認知症薬を選択し使用するのは、その方に関わる医師や看護師、介護職員など我々スタッフです。
認知症予防薬が開発されることは、とても喜ばしいことですが、その薬を使うのはやはり「人」という事になるでしょうか。
薬の他にも、ケアの方法やサービス・社会資源の活用についても同様で、結局のところ認知症の方を介護し支える「人」の影響が大きいように思います。
ほとんど・・・いや、100%と言っては言い過ぎでしょうか?
認知症の方の周辺症状に対する『くすり』には様々なものがありますが、私達自身がその方に有効な『くすり』になる事と、その他の様々な『くすり』の中から、その方に効果のある『くすり』を正確に選び、正確に使える「人」になりたいと思います。
川畑さんのレシピに、私は毎回刺激を受けています。
認知症の方へのケアについて、その考え方や今後への活用など、自分自身や自施設を振り返る機会を与えて頂いています。
ありがとうございます。
認知機能低下の影響で、理解力・統合力・思考力・判断力が低下し、ADL上で何らかの失敗をしてしまうことってよくありますよね。認知症を正しく理解していない場合、どまどい、否定し、軽蔑し、説得し、怒り、あきらめ、放置してしまう。
しかし、認知症の方ご本人は、脳内情報処理の速度と正確性に支障をきたしているが故に、ご本人は家族の言動や行動に対して違和感を感じない。きっと、本人の思いとしては、なんのこと?どうしたの?わからない・・・。といった感じでしょうね。
抗認知症薬を服用すると、個人差はあるものの、認知機能が改善するため、理解力・統合力・思考力・判断力の回復が起こり、今までは、十分に処理できなかった家族の言動や行動に気付くようになり、ご本人の自尊心を傷つけられるため、怒りに変わる・・・。
抗認知症薬が周辺症状を作るのではなく、抗認知症薬により、認知機能が改善し、正しい選択や判断ができるようになったことで起こる、人としてごく自然の反応なのかも知れません。これを抗認知症薬による興奮と捉えるべきなのか、人の関わり方のミスにより起こる、ごく普通の怒りと考えるべきなのか・・・。
認知症の診断がついた方のカルテをみると、抗認知症薬が処方されていることが良くあります。そんな時には、いつもより真剣に慎重に人としての関わり方、対応方法を考えるべきだと思います。
はじめまして。私は療養型の病院で働いている、診療放射線技師の資格を持った事務職員です。
今は現場から少し離れた位置にいますが、川畑さんのレシピには、いつもたくさんの気付きをいただいてます。
今回のレシピにも気付きがありましたので、コメントさせていただきます。
当院では、薬に対する高齢者の特徴を踏まえ、適切な薬剤処方に向けた取り組みを行っています。
具体的には、投薬基準の作成や見直しです。
まだ抗認知症薬に対する投薬基準は作成できていませんが、
今回のレシピから、適切な抗認知症薬の処方には『ヒトグスリ』の要素も踏まえた投薬基準を作成する必要があるように感じました。他の薬も同様です。
ただ、『ヒトグスリ』は患者様の個別性にも対応できる素晴らしい薬ではありますが、副作用もあります。
より効果的な薬として『ヒトグスリ』を処方するためには、川畑さんがおっしゃるように、効果・効能を高め続けることが重要なのですね!
ありがとうございました。