入所時より、夜間不眠で午後からの不穏が目立っていた。
午前中は覚醒が悪いことから日内変動と考え一日の水分量の確保を行っていた。
しかし状況は変わらず一ヶ月後には暴言、暴力も見られるようになり職員は介護を行うことさえ不安や恐怖を感じるようになった。

情報収集に努め、日中の活動を考えた。
字を書いている時は落ち着かれるのだが一時的なことであった。

ある日、
他入居者に対応中の職員に、いきなり殴る、蹴る、掴むという行動があった。
話しを聞いた職員Tが排便状況について聞いた。(排便コントロールが上手くいってないと不穏になることがある)
生活歴を見直した時に「毎日、排便があっていた」と情報あり、この日排便が3日出ていなかった。
記録を見てみると暴言、暴力があった日は排便が3日出てないことが多かった。

この日より腹部不快を伴う下剤は不穏を増強させてしまうと考え自然排便にもっていく為食品のオリゴ糖を毎食後に飲んで頂くことにした。
その後、不穏が全くなくなった訳ではないが落ち着かれる日も、トイレに、お連れすると排便が出ることも多くなった。

排便=不穏の因果関係もあると解り、
職員は分析し本人を理解しようとする中でS氏に落ち着いたケアができるようになっただけでなく、S氏も穏やかに過ごして頂けるようになった。