認知症の方というと、
段々と記憶をすることや身体的にも、何も出来なくなって行くと捉えがちである。

確かにさっき会って挨拶をした後でも毎回「初めまして」である。
しかし、落ち着かれずに泣きそうな顔をされていても、
近づいて声をかけると表情は変わり一生懸命に事情を話してくれる。
きっと私達を「安全な人達」と“認識”してくれているのだと思う。

歌うことも文字を書くことも忘れていかれるが、
「漬物の漬け方を教えて下さい」とお願いすると、とても手際よく美味しい漬物を作ってくださる。
「御飯をよそってくれますか?」に
「喧嘩せんごつ」と平等によそってくださる。

私達の年代では漬物をつけることさえ出来ない人が多いし、平等にと意識をしながら御飯をよそっているだろうか。
段々と出来なくなっていかれることにだけに目を向けるのではなく、まだまだ出来ること「出来ること探し」をして行きたいと思う。