
認知症の方というと、
段々と記憶をすることや身体的にも、何も出来なくなって行くと捉えがちである。
確かにさっき会って挨拶をした後でも毎回「初めまして」である。
しかし、落ち着かれずに泣きそうな顔をされていても、
近づいて声をかけると表情は変わり一生懸命に事情を話してくれる。
きっと私達を「安全な人達」と“認識”してくれているのだと思う。
歌うことも文字を書くことも忘れていかれるが、
「漬物の漬け方を教えて下さい」とお願いすると、とても手際よく美味しい漬物を作ってくださる。
「御飯をよそってくれますか?」に
「喧嘩せんごつ」と平等によそってくださる。
私達の年代では漬物をつけることさえ出来ない人が多いし、平等にと意識をしながら御飯をよそっているだろうか。
段々と出来なくなっていかれることにだけに目を向けるのではなく、まだまだ出来ること「出来ること探し」をして行きたいと思う。
私の祖母86歳。低度認知症。
先日久しぶりにお世話になっているデイサービスに会いに行ってきた。
2013年11月。尿路感染症を患い入院。悪化して尿毒症に。
当時はガリガリになった姿を見るのが辛かったことを鮮明に覚えている。
そんな祖母が、みなさんと料理の準備(包丁を使って)をしていた。
スタッフの方が「おばあさん、なんでもできる。うるさいの笑」と耳打ちしてくれた。
大好きなサングラスも、室内なのにちゃっかり着用して。
なごみさんのレシピを読んで、
「出来ることを見つけてくれる」方々に感謝の念を改めて感じる。
帰り際。
祖母が「こうちゃん、傘もってきた?」
降り出した雨に気づきもしない私に一声かけてくれた祖母の姿が頼もしかった。
まだまだ、元気になりそうだ。
大きくうなずきながら、読ませてもらいました。
「出来ること」探しって大切なケア目線ですよね。出来なくなったと思い込んでいて、実はさせていなかっただけっていうケースも有ります。
何ができるか?何が得意か?今の生活はスタッフが把握していても、昔のことはあまり知らない。だからこそ私は、家族や地域の方々がお見舞いに来た時をチャンスと思って情報収集するようにしています。私たちの「出来ること」ですもんね。