私が主任当時、強烈な利用者Aさんがやってきた。
大きな体格、大きな声、気の強さは他者を寄せ付けないオーラを発していた。
ケアプランに沿って介入しようと試みるも拒否。
体が大きい事もあり、ひざの弱さが目立ったが、介入を受け入れる様子を見せない。
数名のスタッフが担当するも、やはり、介入させてもらえず始末に負えなかった。
そんな中ある時ふと考える。
「課題を解決するために業務をするのではなく、まずはAさんに自分の事を受け入れてもらうことから始めてみようか」
その日からAさんに近づいては話しかける、関係づくりに励んだ。
仕事がしたい職員の立場からAさんに寄り添う人の立場に立ち位置を変えてみた。
今までとは違う他愛も無い話をすると、きょとんとした表情のAさん。
手探りの状態ではあるが、少しずつ会話が出来るようになっていった。
それからの二人の関係は急速に近づくことになる。私の事を認めてくれたのだ。
その関係は周りが驚くほど。
事ある度に私の名前を呼んで下さるまでに関係を築くことが出来た。
Aさんが施設を変わった後、その施設先で私の名前を呼んでいることを便りに聞いたときは嬉しかった。相変わらず大きな声だったようだ。
スタッフの誰もが逃げ腰になってしまったAさんとの関わりは、
私に「何事からも逃げない・負けない自信」を与えてくれた。
どんな利用者さんも大歓迎だ。
とてもすばらしい経験をされていますね。
つい、やるべき、伝えるべきことがあるとそれをなんとか伝えたいと思うものです。しかし、相手の方が受け入れる状態になければ、ただ「うざい」だけになりがちです。この方はちゃんと自己主張をしてくれたので素敵な介入ができました。まず、相手の方が受け入れてくれる人間関係、信頼関係を築きあげることができたことがすばらしいと思います。この喜びをよりたくさんの方と共有したいですね。
本当に素敵なレシピでした。
ケアレシピ読ませてもらいました。
私は、他愛もない会話の重要性を感じました。まさに「無用の用」ですね。
心を通わせるためには、お互いを知ること。
一方通行でないコミュニケーションが生んだ成功体験。気持ちを切り替えて、付き合い方を変えたところがプロですね。
遠回りのような最短ルートなのかもですね。やる気が出たところで、今日も一日頑張ります。