胃ろうをつけていらっしゃる方の担当になった。
担当になったことで、責任感も後押ししその利用者Sさんに対してなんでもしてあげたいと思えるようになった。
そんな「担当に対しての思い」を強く抱くようになったきっかけとなる入職間もない頃の出会いである。

「なんでもしてあげたいけど、一方的な片思いでは叶わない・・・」

それからというもの「なんでも言ってもらえる」信頼関係を築くために頑張るようになった。
そんなある日、Sさんから「ヨーグルトが食べたい」と希望を聞くことができた。
早速ご家族と状況を共有し、なんとか叶えられるように方向性を決めた。
しかし容易なことではなく、実現には多くの関係者のアドバイスを得ることが重要だった。
リハビリスタッフからは嚥下(特に姿勢)のアドバイス。相談員の方とのコミュニケーションも欠かさなかった。

入職間もない私はとにかく「Sさんがヨーグルトを食べる」ことを実現することに一生懸命だった。

結果、叶えることが出来た時は嬉しさで一杯だった。
利用者さんの想いを叶えることが、担当である私の仕事。
そのためには、他職種のアドバイスや協力を得ることが重要だと考える。
私の経験と専門性だけでは成し得なかった。
でも頼るばかりではなく、私は多様な経験と専門性を持つ方々を上手く活用する「情報コントロールセンター」になっていたのだ。
担当とは「誰よりも利用者さんのことを知っていること」。
だからこそ、相手も信頼して話しかけてくれるのだろうと思う。

「本音で話しかけてもらえること」これが本来の介護のはじまりなのかもしれない。